キャリアパス要件について

(福祉・)介護職員処遇改善加算の算定にあたってはキャリアパス要件と職場環境等要件という二つの要件があり、それの適合状況によって加算額が異なります。

キャリアパス要件について

キャリアパス要件にはキャリアパス要件(1)、キャリアパス要件(2)、キャリアパス(3)の3種類があります。

1. キャリアパス要件1

役職などに応じて給与が決まるという仕組み作ることが求められています。(例1)のように管理者なら〇〇円、サービス提供責任者なら〇〇円というようにその役職に応じて給与額を決めるという内容です。具体的には次の3つの条件の全てを満たしていることが求められます。

  1. 介護職員の任用の際における職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めていること
  2. 1.に掲げる職位(役職)、職責または職務内容に応じた賃金体系について定めていること
  3. 1.および2.の内容について就業規則などのもので書面で明確にし、周知していること

(例1)

等級 役職 給与額
3等級 管理者 250,000円
2等級 サービス提供責任者 200,000円
1等級 一般ヘルパー 180,000円

といった感じです。

2. キャリアパス要件2について

次の2つの要件を満たすことが必要です。

  1. 次のア)またはイ)の条件を満たした計画を作成する
    ア) 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供または技術指導等を実施(OJT、OFF-JT)するとともに介護職員の能力評価を行う
    イ) 資格取得のための支援(金銭、休暇の取得など)を行う
  2. 上記の内容をすべての介護職員に周知する

3.キャリアパス要件3について

こちらは、単純に役職だけではなく、その役職に就くためには、経験が〇年あるとか、こんな資格が必要であるとか、試験や人事評価の結果といった、昇進や昇給するための根拠が必要になります。また、その内容を職員に周知する必要があります。

(例2)キャリアパス要件3の例(経験年数による場合)

等級 役職 経験年数 給与額の例
3等級 管理者 6年以上 250,000円
2等級 サービス提供責任者 3年以上 200,000円
1等級 一般ヘルパー 1年から3年未満 180,000円

(例3)キャリアパス要件3の例(資格による場合)

等級 役職 資格 給与額の例
3等級 管理者 社内で決められた資格 250,000円
2等級 サービス提供責任者 介護福祉士 200,000円
1等級 一般ヘルパー 介護職員初任者研修修了 180,000円

職場環境的要件とは

介護福祉士を取るための実務者講習や、サービス提供責任者講習といった研修の支援、ミーティングの実施、介護機器の新たな導入、登録ヘルパーと正職員に転換するなどといった、資質の向上や待遇の改善などにつながる措置を実施すること。

キャリアパス要件と処遇改善加算の関係

キャリアパス要件のうち、どの部分をいくつ満たしているかということで、実際に算定できる加算が変わってきます。

処遇改善加算1

次をすべて満たしていることが必要です。

  1. キャリアパス要件1
  2. キャリアパス要件2
  3. キャリアパス要件3
  4. 職場環境等要件

処遇改善加算2

次をすべて満たしていることが必要です。

  1. キャリアパス要件1
  2. キャリアパス要件2
  3. 職場環境等要件

処遇改善加算3

次をすべて満たしていることが必要です。

  1. キャリアパス要件1かキャリアパス要件2のどちらかを満たしている
  2. 職場環境等要件

処遇改善加算4

次のうち、どれかを満たしていることが必要です。

  1. キャリアパス要件1
  2. キャリアパス要件2
  3. 職場環境等要件

処遇改善加算5

キャリアパス要件1から3および職場環境等要件のうち、どれも満たしていない場合。

キャリアパス導入サポートについて

キャリアパス制度の導入・運用については専門的なところもあり、制度の設計から大変難しい部分があります。
そこで社労士・行政書士合同事務所オフィスH&Mではキャリアパスの導入支援を行っております。

詳しいことは、「人事評価制度の導入支援」の箇所をご覧ください。

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