介護職員処遇改善加算(訪問介護)

訪問介護に従事する介護職員の待遇改善を目的とした加算で、所定の手続きをとりますと、介護報酬に計算式に基づいた加算がなされた額が入金されます。ただし、その加算された額については、自由に使えるというわけではなく、必ず、給与のアップ、ボーナスのアップに当てる必要があります。
もし、加算額が給与などへの改善額を上回った場合は不正受給として全額返還になります(と言われています。)のでご注意願います。

加算の種類

介護職員(福祉介護職員)処遇改善加算はキャリアパス要件の該当具合によって次の区分に分けられます。

  1. 加算(1):キャリアパス要件1、キャリアパス要件2、キャリアパス要件3、職場環境的要件の全てを満たすこと。
  2. 加算(2):キャリアパス要件1、キャリアパス要件2、職場環境的要件の全てを満たすこと。
  3. 加算(3):キャリアパス要件1またはキャリアパス要件2のいずれかを満たし、さらに職場環境的要件を満たすこと。
  4. 加算(4):キャリアパス要件1、キャリアパス要件2、職場環境的要件のいずれかを満たすこと。
  5. 加算(5):キャリアパス要件1、キャリアパス要件2、職場環境的要件のいずれもみたさないこと

それぞれの加算の詳細な概要についてはキャリアパス要件のところをご確認ください。

加算の額について

加算額は基本報酬に処遇改善加算を加えた報酬額に表の加算率を掛けた金額になります。

加算の種類 加算率
 処遇改善加算(1)  13.7%
処遇改善加算(2)  10.0%
処遇改善加算(3) 5.5%
 処遇改善加算(4)  加算(3)の90%
処遇改善加算(5) 加算(3)の80%

加算額の配分の仕方

加算額は全額ヘルパー(介護に従事しているもの)の給与・賞与に充当する必要があります。
全額給与などに充当できない場合は、受けた加算額の全額を返還する必要がある場合もありますのでご注意願います。
加算を分配する方法としては次のような方法が考えられます。

1.基本給のアップ

ヘルパーの時給や月給をアップするものです

(例)
時給800円を時給900円にする
月給18万円を月給20万円にする

ヘルパーの方はほぼ間違いなく喜ぶと思います。
ただし、基本給をアップする場合、加算がなくなった、加算額が減ったからといって、基本給を下げることはヘルパーの同意がない限りできません。
そのあたりを十分考慮のうえ、引き上げる金額を決定するようにしてください。

2.手当で支給する

加算に相当する分を改善手当などの名称にて手当として支給します。
こちらも手当てという形ですが、毎月支払う形になります。したがって、加算がなくなった、加算額が減ったからといって金額を下げることは難しいです。

3、一時金(ボーナス)

ボーナスなどの形で一時金として1回または2回に分けて支払います。
一時金(ボーナス)そのものは必ず支払わなければならないものではないし、また、基本的に業績に応じて支給されることが多いため、金額も加算の額に応じて柔軟に対応しやすいというメリットがあります。(もっとも、就業規則で定めた場合は簡単に廃止出来ません。)
ただし、一度に大きな金額が必要になりますので、あらかじめ別にプールしておくとか、資金計画をたてて資金の手当をしておかないとボーナスの支払時に支払うお金がないという問題がおきる場合があります。

4.1から3の複合

上記 1から3の方法を組み合わせて、「基本給を上げた上で差額を一時金で支払う」などとすることも出来ます。

5法定福利費

なお、基本給の引き上げやボーナスの支払の際に発生する法定福利費(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料など)の事業主負担の増加分についても改善額に含めることが出来ます。改善の額を決める際にはこれらの費用も考慮に入れて計算してください。

加算を申請する方法

前年度の介護報酬を確認した上で、報酬額および加算額の見込予測を立てます

立てた加算額の見込予測に基づいて従業員への改善額(分配額)の計画を立てます

計画書を作成・都道府県(場合によっては市町村)に提出

立てた計画に基づき、従業員の給与・ボーナスを改善する

計画期間の終了前(基本的には4月から翌年3月が計画期間)

実際に支給された加算額の確認、(必要に応じて)従業員に追加分配

実績報告書の作成・提出

手続きの際に必要な書類

1 計画書作成(初めて算定する場合)

  1. 変更届
  2. 介護給付費算定に関する体制状況一覧表
  3. 加算届出書
  4. 計画書
  5. 事業所一覧表
  6. 誓約書
  7. 就業規則、労働条件通知書(雇用契約書)
  8. キャリアパス表(職能等級表)
  9. 賃金表・賃金テーブル

なお、こちらで書類作成をする場合は次の書類も必要です。

  1. 指定書(許可証)
  2. 前年の介護報酬額のわかる書類(サービス別に)/売上見込みがわかる書類(開業する場合)

2 計画書作成(2年目以降)

  1. 変更届
  2. 介護給付費算定に関する体制状況一覧表
  3. 加算届出書
  4. 計画書
  5. 事業所一覧表
  6. 誓約書

3 実績報告書作成

  1. 加算額に関する通知書
  2. 賃金台帳(もしくは当該年度の給与明細(1年分)・ボーナスの支給額がわかる書類)
  3. 1年分の出勤簿(もしくは1年間の勤務時間の合計がわかる一覧表)

書類の作成・届出の委託費用

(1)依頼初年度

書類作成(ベーシック) 書類・事業計画作成
計画届の作成
改善額の算定
加算額に応じた改善額の再調整
資金・事業計画の作成・進捗確認 ×
改善額の最終調整
実績報告書作成
報酬額 100,000円
(計画 50,000円)
(実績 50,000円)
150,000円
(計画 75,000円)
(実績 75,000円)

なお、次のセットプラン(月額サービス)をご利用の方はサービス内容に含まれております。

(2)2年目以降

報酬額
顧問契約がある場合 0円
顧問契約がない場合 100,000円

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